とある組織での話です。
離職率が高く、なかなか優秀な人材が育たないとの
お悩みを抱えていました。
専門性が高い、その職種では、
現場で新人を教育するOJTが必須です。
入ってくる新人は、もちろん大学や専門学校などで
知識をしっかりと学んできています。
しかし、現場では即戦力とはなり得ません。
これはどんな業種業界においても同じかもしれませんが、
だからこそ、現場でのトレーニングが必要なのです。
さて、その組織でのOJTの現状はどうだったのでしょう?
実は、かなりしっかりとした仕組みがあります。
トレーナーもきちんと教育を受けていますし、
トレーナーの相談を受ける、さらに上の先輩もいます。
なのに、なぜ、OJTがうまく機能しないのか・・・。
この組織の場合はトレーナーと新人の間で交わされる
コミュニケーションに課題がありました。
専門性が高いが故に、先輩も指導に熱が入り、
ついつい先回りして答えを教えてしまっていました。
しかし、逆に専門性が高いからこそ、
経験が人の成長を促進します。
答えを教えられるばかりでは、
失敗する経験が減り、実力がついてきません。
できるだけ初歩的なミスや
不注意によるミスを減らすことは大切です。
しかし、考えなければいけない場面で、
教えられたことだけを遂行していたのでは、
考える力は育ちませんよね。
で、この組織ではどのように改善して行ったのか?
まずはコミュニケーションスタイルを変えることに取り組みました。
指示命令など「教える」指導法から
質問を使った「問いかける」指導にシフトしました。
「問いかける」指導には大きなメリットがあります。
それは「考える」ということです。
指導を受ける新人は、考える機会が増え、
常に考えながら仕事をするようになります。
すると、自分の中で経験を体系化しながら
成長できるようになります。
なぜうまくいったのか?
なぜ失敗につながってしまったのか?
自分の経験に沿って答えを見つけ出せるのです。
そして、その新人がトレーナーになり、
新たな新人が困っている場面に遭遇すると、
自分の経験に裏打ちされた的確なアドバイスが
できるようにもなるのです。
もちろん、過去に自分がそうされてきたように
「問いかける」指導も行えるようになっていることでしょう。
部下指導の難しさは、
コンテクストの共有の難しさとも言えます。
コンテクストとは、
「なぜそう感じたのか」「なぜそう考えたのか」
といった背景を意味します。
コンテクストを共有するためには、
事実について振り返りながら
ともに言葉を交わすことが大切です。
問いかける指導を心がけて
コンテクストの共有を図ってみてください。
今日はここまでです。
どうでしょう?
お役に立てました??
最後にお知らせです。
10月24日(土)13:00〜コピーマック高松店にて
コーチング体験会を行います。
最近、忙しくて頭の中が整理できないという方は、
ぜひ参加してみてくださいね。
参加費は1,000円です。
では、今日も楽しみましょう!
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